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サーチャージで差がつく!貿易ビジネスのコストコントロール法

貿易を行う際、多くの企業が直面するのがサーチャージの問題です。
しかし、このサーチャージが具体的に何を指すのか、どのように計算されるのかを知っているビジネスマンは意外と少ないのではないでしょうか?

- 目次 -

そもそもサーチャージとは?

「サーチャージ」という言葉、英語では「surcharge」と言います。この「sur」はラテン語の「super」から来ており、「over」や「超える」という意味を持っています。

 

そう考えると、基本料金を超える追加料金、つまり割増料金として「サーチャージ」が訳されるのが理解できますね。

 

このサーチャージは基本料金の上に加算されるもので、他の追加料金とは一緒くたにせず、しっかりと区別して考える必要があります。

そのサーチャージは一体何の為に?

1970年代に起きた燃料価格の高騰を背景に、海運業界が荷主にコストを転嫁する為に「サーチャージ」と言う制度が導入されました。
これが徐々に航空業界や陸運業界にも取り入れられるようになっていきました。

 

企業だけの努力では、原材料の価格や為替レートの大きな変動によるコスト増を完全に吸収するのは難しいのが現実です。
サーチャージにより、船会社は経営の安定を図ることができる様になったのです。

サーチャージの計算方法は?

例えば、燃料価格が上昇した場合、船会社はそのコストをカバーするためにサーチャージを上げることが一般的です。
逆に、燃料価格が下がった場合は、サーチャージは下がることもあります。

実際の事例として、2020年に発生した燃料価格の大幅な変動時、多くの船会社がサーチャージの見直しを行いました。
これにより、貿易を行う企業もその影響を受けることとなりました。

それではどの様な種類のサーチャージが存在するのか?

こちらではよく目にする代表的なサーチャージをまとめてみました。

BAF:Bunker Adjustment Factor

燃料価格、特に重油の価格変動に応じて、コンテナごとに請求される追加料金が存在します。

 

この目的は同じですが、BS(Bunker Surcharge)、EBS(Emergency Bunker Surcharge)、EFAF(Emergency Fuel Adjustment Factor)、FAF(Fuel Adjustment Factor)、GBF(General Bunker Floating)など、異なる名称での請求も行われています。これらの違いに注意が必要です。

CAF:Currency Adjustment Factor

基本運賃(ベースレート)に一定の%を上乗せして請求されるのが、為替差損を補填するための割増料金です。

 

特に東南アジア航路においては、円決済による為替差損をカバーするために「YAS(Yen Appreciation Surcharge)」という名称でこの料金が適用されています。

PSS:Peak Season Surcharge

BAFは原油に関連し、CAFは為替に関連します。これらは売主の責任外で、対処が難しいため、サーチャージの導入はやむを得ないと感じます。
また、WAR RISK SURCHARGEのようなリスクを考慮する料金は、運搬してもらうだけでありがたいと思えます。

一方、PSSは少し高額に感じるかもしれませんが、繁忙期の追加コストを考慮すると、その理由も理解できるかと思います。

LSS:Low Sulphur Surcharge

LSSは結構新しい、低硫黄燃料油の使用に関連したサーチャージです。
国際的な環境規制に従い、船舶は硫黄酸化物の排出を削減するための低硫黄燃料を使用する必要があります。
この燃料は従来の燃料よりもコストが高く、その差額を補填するためにLSSが導入されました。
売主の側からすると、環境保護のための取り組みとしてのコスト増は避けられないものとなっています。

そのため、LSSの導入は、持続可能な海運業界の実現の一環として受け入れられています。
一方で、荷主や消費者からすると、追加のコストとしてのサーチャージは負担となるかもしれませんが、環境への配慮という大きな目的のためのものと理解することが重要です。

サーチャージとの付き合い方

サーチャージは貿易ビジネスにおいて無視できない要因となっています。
だからと言って、この変動するサーチャージにただ翻弄されるだけでなく、適切な知識と情報の収集により、変動にアクティブに対応し、コストを最適化することは可能です。

具体的なアクションとしては、船会社の最新の発表を定期的に確認し、サーチャージの変動を迅速に把握することが重要です。
また、サーチャージの大幅な変動が見られる場合、船会社との契約の再交渉を考慮することで、より良いビジネスを展開することができるでしょう。

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