貿易を行う際には、さまざまな取引条件が存在します。
その中でも、FCA(Free Carrier)とFOB(Free on Board)は特に重要な取引条件として知られています。
しかし、これらの違いを正確に理解しているビジネスパーソンは意外と少ないかもしれません。
この記事では、FCAとFOBの違いを具体的な事例を交えて詳しく解説します。
ー 目次 ー
FCA(Free Carrier)とは
FCAは「Free Carrier」の略で、指定された場所での商品の引渡しを意味します。
この場合、売主は指定された場所まで商品を運び、輸出の手続きを完了させる責任があります。
しかし、その後の輸送リスクは買主が負担することとなります。
FCAの場合
ある日本の企業がアメリカの企業に商品を販売する場合、FCA東京という取引条件で契約を結んだとします。
この場合、日本の企業は東京で商品をアメリカの企業に引き渡し、輸出の手続きを完了させる責任があります。
しかし、東京からアメリカまでの輸送リスクはアメリカの企業が負担することとなります。
FOBの場合
上記の日本の企業とアメリカの企業がFOB横浜という取引条件で契約を結んだ場合、日本の企業は横浜の港で商品を船に積み込む責任があります。
しかし、船積み後の輸送リスクはアメリカの企業が負担することとなります。
あらためてFCAとFOBの主な違い
- 引き渡し場所
FCAは指定された場所での引渡しを意味し、FOBは出荷港での船積みを意味します。
- 輸出手続きの責任
FCAでは売主が輸出の手続きを完了させる責任がありますが、FOBではその必要はありません。
- 輸送リスクの負担
FCAでは指定された場所までのリスクは売主が、それ以降のリスクは買主が負担します。FOBでは船積み後のリスクは買主が負担します。
FCAとFOBの違いのまとめ
FCAとFOBは貿易の取引条件として非常に重要です。これらの違いを正確に理解し、ビジネスの現場で適切に活用することで、スムーズな取引を実現することができます。
取引条件を選ぶ際には、自社のリスクを最小限に抑えることを考慮しつつ、最適な条件を選択しましょう!